ブロント語の研究

さんをつけ忘れました。デコ助野郎です。葉山です。

 

みなさんはブロント語というものをご存知ですか?


ブロントさんまとめwiki - ブロントさん名言集

 

詳しくは各々で調べていただくとして…僕も発祥当時の人間ではありませんし詳しくは知りません。

一通り見ていただけると分かると思うんですが、とても特徴的な文体です。

有名どころで例を挙げると、

 

おれの怒りが有頂天になった

あまり調子に乗ってると裏世界でひっそりと幕を閉じる

破壊力ばつ牛ン

俺を強いと感じてしまってるやつは本能的に長寿タイプ

 

あたりでしょうか。見ていただければ分かるように、とても語彙が豊富なんですね。ある意味で。

様々なパターンがあり、全く飽きがこない。そして言いたくなるような響きの良さがあります。基本的に偉そうな主人公タイプの語調で誤用をするので耳にこそばゆく、ニヤッとしてしまいます。

さらにブロント語の魅力を探るため上に挙げたものを一つ一つできるだけ念入りに紐解いてみようと思います。

 

おれの怒りが有頂天になった

※語釈
有頂天
1 得意の絶頂であること。また、そのさま。大得意。「試験に合格して―になる」
2 物事に熱中して夢中になること。また、そのさま。
 
怒りに得意になり、果てはその絶頂に達する 怒りに熱中する といったような意味になるんでしょうか。伝えたいこととの対比におもしろみがありますね。また、使うシチュエーションが「怒り」なのもポイントでしょうか。「緊張と緩和」のような要素を強く感じます。

 

 あまり調子に乗ってると裏世界でひっそりと幕を閉じる

これについてはあまり語釈を添える必要はなさそうですね。

僕は、このブロント語は物語性といいましょうか。テンポが非常にいいと感じましたね。このおもしろみを紐解くためには、文を前半と後半に分ける必要があると思います。

 あまり調子に乗ってると 

こう言われるとどこか身構えますよね。一体どんな罵りをされ結末を迎えるのか…!?

裏世界でひっそりと幕を閉じる 

裏世界という言葉はどこか黒くて物騒な感じはありますが、この言葉内ではなんと罵る相手が裏世界に行きます。そしてそこでひっそりと幕を閉じます。めでたしめでたしです。裏世界の社会保険制度はかなりしっかりしているようです。

 

破壊力ばつ牛ン

もはや説明不要なのではないかと思ってしまう破壊力。エッジが利いています。

半角カタカナの強さは皆が認めるところがあるのではないでしょうか。僕だけでしょうか。かてて加えて牛。二本角でさらなる破壊力を演出します。まさかRPGの掲示板で牛を見ようとは思わなかったことでしょう。

 

俺を強いと感じてしまってるやつは本能的に長寿タイプ

※語釈

本能的 生まれつきその性質をもっているさま

僕はブロントさん語の中でもこの手の遠回しな表現が最も好きです。

要するに、「逆らうと痛い目にあうぞ」ということが言いたいだけなんでしょうね。

 俺を強いと感じてしまってるやつは 

この時点で最高です。強いと感じることを過失として表現することによってブロントさんの力量が相対的に上がります。もとい、上がったような錯覚に陥ります。

本能的に長寿タイプ 

長寿タイプという言葉は本当にすごい。聞いたこともない長寿タイプというタイプの存在をあたかも普遍なものであるとすることにより影の「長寿ではないタイプ」の存在が顔をのぞかせるわけですね。人は二種類に分けられるっていうアレですね。それが本能的にっていうのもポイントです。「生まれつき」という意味を孕んでいるのが重要で、生まれつき長寿タイプということは生の瞬間から死を意識しているわけですね。赤ん坊を見ておじいちゃんを想起させられるわけです。マジック。

 

と、個人的に紐解いてみました。

ブロント語全般に言えることだと思うんですが、どの言葉も伝えるという点に関しては完全上位互換の言葉が存在するんですよね。それなのに敢えて分かりにくい表現を皆が真似して、それを楽しめるというのはとても贅沢というか、豊かなことだと思います。

また、日本語は罵倒表現が苦手だと何かで読んだことがあるのですが、ブロントさん語のおもしろみにもどこかそれが関係していると思います。苦手な罵倒表現に挑んでまんまと失敗するのが滑稽に映るんでしょうかね。

 

実は、ブロント語というものは言葉によっては発祥が曖昧で、他人がブロントさんを装いブロントさん語録を蓄えていったパターンもあるんですよね。

ブロントさんに魅せられ、あやかっていったのでしょうね…

これは視点を変えれば、皆がブロントさんになり得るということでもあります。

誤り、下位互換を楽しめるのは良いことですが、楽しめているうちは良いとして、行き過ぎると今度は汚名挽回名誉返上のようなことになってしまうわけですね。悪が大半を占めるとそれが正義になってしまうことがあるので、そうはならないように注意していきたい今日このごろです。

 

葉山 (@dekai_towel) | Twitter